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~真因にたどり着き、ミスを繰り返さないための分析のコツ~
品質保証実務の不具合解析を極めるセミナー
セミナー詳細
セミナーについて
自動車エアバッグを膨張させるための部品「エアバッグインフレータ」の破裂を原因とする、世界規模のリコールが行われました。その結果、エアバッグ業界の主要企業が企業売却する事態に至っています。
販売当時の品質システムでは不具合発生を防止できなかったため、再発防止の目的で、IATF16949など、品質システム規格の改良が行われています。しかし、実際に個々の技術者がどう判断すべきだったかの基準については、あまり議論されていません。このままでは、今後もいかに技術者がまじめにモノづくりに取り組もうとしても、同じ轍を踏んでしまうかもしれません。
講師は、公開されている資料をもとに、このインフレータの量産前後や市場での破裂事故が発生した後の技術者の対応を解析しました。その結果、本件では技術検討の多くの部分で、事故の表面的な部分のみ(現象論)に基づく判断がなされていたこと、それによって本質的な問題を見逃していたという事実を明らかにしました。そして、技術者が個々の技術的判断を行う際に、現象論から脱して問題の本質に迫る方法として、「なぜなぜ分析」を日常に使うべき、との結論に達しました。
しかし「なぜなぜ分析」は労力がかかり、分析結果も個人的バラツキが大きいという問題があります。
そこで、本セミナーでは「なぜなぜ分析」の原則を維持しつつ、誰もが簡単に分析できるように改良した分析法の概略をご紹介します。また、この史上最大のリコールの技術的原因の理解と、市場での不具合発生時の留意事項について理解することを目指します。
受講するメリット
- 史上最大のリコールの技術的原因が学べます。
- 市場での不具合発生時に留意すべきことが分かります。
セミナー内容
1.エアバッグ構造と自動車部品の品質リスクの考え方
2.リコールから紐解く、自動車部品不具合と対応の解析
2.1 エアバッグリコールの内容
2.2 不具合内容
2.3 異常破裂の原因
2.4 不具合製品の開発と量産の経緯
2.5 異常発見時の対応の問題点
2.6 技術者倫理の面から見た判断の誤り
3.不具合未然防止のために活用できる「真因解析」
3.1 なぜなぜ分析=真因解析とは
3.2 なぜなぜ分析の新しい手法紹介
3.3 なぜなぜ分析(STA分析)を日常使いして技術者の心に火を点ける
4.まとめと質疑応答
講師プロフィール
小田 愼吾 (おだ しんご)
小田技術士事務所 代表 技術士(化学部門 )、甲種危険物取扱者、高圧ガス製造保安責任者甲種化学、高圧ガス販売主任者第一種販売
1976年 ダイセル株式会社(現 株式会社ダイセル)入社
有機化学品の企画、製品・プロセス開発、国家プロジェクト運営、国内外での新規事業育成を手掛ける。
エアバッグインフレータの製品開発・プロセス開発を担当するとともに、ISO-9001, QS-9000, ISO/TS16969などの品質保証システムを導入。品質保証の最高責任者として、海外拠点で発生する不具合対策の陣頭指揮を執った。
2016年 小田技術士事務所 開業
なぜなぜ分析手法を取り入れた不具合の原因究明、真因解析活動を得意とする。これらの手法に技術者倫理の観点からの考察を加えたコンサルティング事業・品質保証教育・講演活動を行っている。