中国特許クリアランス調査
まさに超・訴訟大国!
中国特許・実用新案の侵害予防調査は重要です
2000年代後半以降、中国における知財訴訟は急激な増加を続けてきました。
既に単純な件数ベースでは、訴訟大国と言われる米国の2倍程度の知財訴訟件数があるとされています。
もちろん米国とは知財訴訟の実態や性質において相違点も多く、一概に論じることは出来ませんが、中国で事業活動をする上で知財訴訟リスクに如何に向き合っていくかは重要なテーマの一つです。
権利意識の高い中国現地企業は、訴訟という手段を積極的に活用します。
大量の模倣品が出回る中国での知財訴訟は、中国人同士の訴訟、または外国企業が中国企業を訴えるというケースが定番でした。しかし、近年は中国企業から警告を受ける、または実際に侵害訴訟を提起される外国企業(日本企業含む)も増えているようです。そのうえ、いわゆる「シュナイダー事件」を契機として、膨大な件数の実用新案も無視しづらい状況となり、中国のクリアランス対応の悩ましさに拍車をかけています。
海外での知財訴訟にも慣れている百戦錬磨のような企業以外にとっては、中国勢から権利行使を受けた場合の対応に要する費用、手間(面倒くささ)、そして精神的ストレスは相当なものです。当然ながら、日本企業同士のように「誠意をもって話し合い、妥協点を探る(?)」などという穏やかな交渉はあまり期待できません。
中国での特許(実用新案)侵害から生じるリスクは想定以上に大きくなることが多く、十分な対策が必要なのです。
日本特許の侵害予防調査は厳格にやっているのに、なぜか中国の侵害予防調査はいい加減。
これっておかしいと思いませんか?(現実的なリスクからすると、本来は逆でもよいくらいではないでしょうか?)
中国特許・実用新案クリアランスの難しさとは
中国のクリアランス調査(侵害予防調査、FTO調査)は、他の主要国の調査よりも難しくなると考えられます。
その理由は・・・?
(1)調査件数(母集団)が膨大になりがち
中国国家知的財産権局(SIPO)によると、2014年の特許・実用新案を併せた中国の出願件数は180万件近くに達しており、日本特許に比べると6倍近いボリュームになっています。日本特許のクリアランス調査と同様の仕様で検索を試みると、数倍の件数を調査せざるを得ないケースも多くあります。(ボリュームは分野により異なります)
慎重さを要する侵害予防調査は、ただでさえ他の調査に比べると調査対象件数が膨らむ傾向にあります。
中国特許のクリアランスにおいて、この圧倒的なボリューム感に如何に立ち向かうかは難しい問題です。
(2)検索が難しい
中国特許の検索では、日本や米国、EPなどの侵害予防調査のように詳細化された分類等(FI, Fターム, CPCなど)を使用することができないため、基本的にはIPC分類を軸とした検索を強いられるのが現状です。
また、IPC付与の適正さに対する疑念(付与ミスや違和感のある付与、重複付与が少ないなど)について議論されることも多く、IPCの選定にも注意が必要といわれています。(特に古い年代の公報)
そこでIPCを広めにとると件数は更に膨らんでしまうため、キーワードの適切な取り扱いによる件数制御が重要となります。現実的なボリュームに落とし込むためには、例えば近接演算を利用した方が良い(利用せざるを得ない)と考えられるケースもあります。
ただし、DBの仕様により全文(明細書本文)の部分一致検索などの対応については注意が必要であり、KWの選定(部分一致の対応・非対応を考慮した上での網羅性など)自体にも十分な検討が必要です。通常このような検索はネイティブでなければ対応は難しく、ネイティブであっても実務経験が少ないとミスが生じるケースが多くあります。
件数が膨大だからといって、侵害予防調査における原則的な検索アプローチを無視して、非論理的なやり方で強引に調査件数を絞ってはいけません。
より慎重な対応が求められるクリアランス調査こそ、ネイティブのプロサーチャーによる検索をお奨めします。
(3)調査コストが高くなりがち
一般的に中国特許調査は、現地の大手事務所に依頼すると費用が高額になる傾向があります。だからといって、特に侵害予防目的の特許調査であれば、クレームの読み方・解釈などについての知識が無い人では対応できません。
中国調査が必要な案件が増える中、クリアランス調査のコストを如何に抑えていくかが重要な課題となっています。
重要性の高いクリアランス調査でも機械翻訳データを使用し続けますか?
コスト面などの事情から、中国特許調査については英文の機械翻訳データの活用が広がっています。
機械翻訳の質は向上しつつあるとはいえ、やはり機械翻訳は機械翻訳です。検索漏れのリスクがあることはもちろんですが、肝心のクレーム(特許請求の範囲)を機械翻訳の英文データで確認することに不安はありませんか?
単純なスクリーニングであればともかく、慎重さが求められるクリアランス調査において、安易に機械翻訳への依存を続けることには危険が伴います。
機械翻訳は調査を効率化するツールとして有益なものですが、使う場面(調査)を間違えてはいけません。
また、英文で読めるからといっても、殆どの日本人はそれほど調査スピードが早くなるわけではなく、一般的にはあまり効率の良い調査になるとは考えられません。結局はそれなりのコストがかかります。
漠然と不安を感じつつ、非効率な調査をダラダラと続けるほど愚かな行為があるでしょうか?
信頼性が高く、効率の良い中国特許クリアランス調査を低コストで実現するには?
結論としては、経験豊富な「ネイティブサーチャーによる検索+原文クレームの精査」しかありません。
当社では、中国特許のクリアランス調査は、日本やUSのクリアランス調査と同じ手法で対応しています。
即ち、プロサーチャーがクレームの文言を精確に読み込んだ上で、必要に応じて明細書本文を参照しつつ、クレームの各構成要件と実施技術とを比較・検討を行い、お客様に報告すべき公報を抽出するという作業になります。
当社で中国特許調査を担当するネイティブサーチャーは、日頃から日本特許やUS特許のクリアランス調査も行っている者です。読み込む公報の言語が異なるだけで、侵害予防目的の調査としてやるべきことは何も変わりません。ネイティブのプロサーチャーがが中国語の原文公報を直接精査する方が早くて精確であることは言うまでもありませんし、結果として低コスト化も実現できます。
また当社では、お客様との事前打合せへの同席や、検索式・調査報告書のレビューへの参加など、技術分野に応じて専門の日本人調査マネージャーが関与することで高い次元でのサービスレベルの安定化も図っています。
また検索については、日本語(中国語の関連キーワードに変換する前の状態)での検索式の案(ロジック確認用)を提示することも可能です。検索ロジックと、そのロジックによる調査母集団のボリューム感をお客様にご確認いただき、懸念等があればご指摘・修正いただくことで、ご納得される母集団に調整いたします。
日本アイアールは中国特許調査のプロセスを明瞭にし、安心感、納得感のある質の高いサービスをご提供することをお約束いたします。
調査料金・納期
調査費用は、検索料金(基本料金+キー料金+リスト出力料金)と、
ネイティブサーチャーによるマニュアル調査料金(単価は案件ごとにお見積)の組み合わせとなります。
(中国特許の検索費用についてはこちらのページをご参照ください)
納期:調査母集団の件数により異なります。(通常、受注後約1~2ヶ月程度)