中国特許データベース検索
中国特許データベースを使いこなす
中国特許調査のおすすめ
中国特許データベースの特徴
1.IPC分類の付与について
現時点ではCPCやFIのような詳細化された分類は未導入であり、残念ながらIPC分類を使用せざるを得ません。
しかしながら、古い年代の公報を中心に、IPCも細かく付与されていない場合がある点に注意が必要です。
また日本に比べると複数付与も少なめです。
下位分類をピンポイントで指定した検索は、「漏れ」のリスクが高くなります。
2.キーワードの選定が難しい
中国独自の業界用語、IT分野などで新しく生まれた用語、日本のカタカナ用語に相当するものなどはキーワードが漏れやすく、技術に精通したネイティブでなければ選定が困難です。
また、類義語・シソーラスの取捨選択も経験豊富なネイティブサーチャーのスキルが必要です。
3.部分一致検索の対応に注意が必要
中国特許の全文検索では、いわゆる「部分一致検索」に対応していないDBもあります。
(要約・クレームについては、部分一致検索に対応していることが殆どです)
全文検索をする場合、まずはデータベースが部分一致検索に対応しているか否かを確認しましょう。
部分一致検索が非対応の場合は、それを前提として網羅的にキーワードを選定する必要があります。
4.出願人指定調査が難しい
中国では企業は統廃合が頻繁に行われています。
グループの親会社名義で出願したり、各地の生産子会社の名義で出願することもあります。
慎重な調査が必要な場合は、企業調査を活用して正確な情報を把握することをお勧めいたします。
5.ヒット件数のボリュームが凄まじい
中国特許・実用新案の出願件数は猛烈な勢いで増加を続けてきました。
同じロジックで検索しても、日本特許の数倍の件数がヒットすることは珍しくありません。
主なデータベースは収録や機能面で着実に改善が進んでおり、以前に比べて便利な時代となりました。
しかし、今度は「圧倒的なボリュームへの対応」という新たな難題が顕在化しているのです。
データベース検索の詳細
1. 使用データベース
メインDBとして「incoPat」または「CNIPR」を使用し、ネイティブサーチャーが中国語原文で検索を行っています。
2. 仕様
特許・実用新案・意匠。全文検索が可能です。近接演算(近傍演算)も対応しています。
期間は1985年以降、自由選定可能です。(検索可能な直近データはお問い合わせください)
要約、第一クレームのリスト出力が可能です。
3. ご利用料金(税込)
データベース検索 基本料金 | 20,000円/調査 | |
---|---|---|
キー料金(法人名・キーワード) | 2,000円/キー | |
リスト出力(Excel) | 書誌+要約 | 20円/件 |
書誌+要約+第一クレーム | 30円/件 |
※英文(機械翻訳)でのリスト出力代代金は、別途お御見積もりします。
※全クレームの出力も個別対応可能です。(ただしファイル容量が大きくなります)
中国特許・実用新案の出願傾向について
個人の出願が多い
実用新案を中心に、個人の出願が大量に出回っています。ただし「個人発明家」による出願だけではありません。
実は中小企業の社長の出願であり、実質的に企業の出願と同視できるケースも多いので注意が必要です。
大学・研究機関の出願が多い
世界と競争している先端技術や、国策として保護、強化をしている技術にその傾向が見られます。
(例:自動車、環境、エネルギー資源、IT関連 等)
実用新案出願の件数が多い
さすがに近年はペースが鈍化していますが、依然として大量に出願されています。
いわゆる「シュナイダー事件」以来、実案の調査も無視できない風潮が続いています。
中国籍企業(香港含む)は中国国内への出願が中心
PCT出願上位の世界的な中国籍IT企業などの一部を除けば、中国にしか出願しないケースが殆どです。
日本はもちろん、欧米主要国にも対応特許が存在しないのが当たり前となっています。
海外勢のJapan Passing(?)が散見
米国や欧州(特にドイツ勢)のグローバル企業の他、韓国勢・台湾勢も中国には多くの特許出願を行っています。
しかしながら、ファミリーを確認すると対応する出願が無いというケースが近年増えています。
また、日本企業も含めて「第1国出願が中国」(優先権無しでいきなり中国出願)というパターンも散見されます。
残念ながら日本市場の地位低下は特許の世界にも広がっており、日本は「素通り(Passing)」されています。
競合企業の中国戦略と動向を的確に把握するためにも、中国の特許調査は不可欠です。
調査コストを抑えつつ、効率的に進めるためのコツ(例)
自社で内容を確認しつつスクリーニングを行いたい場合
・発明の名称や要約文の「便宜翻訳」によるノイズ除去をおすすめします。
・全件翻訳を行うとコストが高くなるため、ファミリー調査を実施して翻訳対象を絞ります。
(対応するJP、USのファミリーがないものだけを翻訳する等)
・便宜翻訳の代わりに英文データ(機械翻訳)を付けることも可能です。
・精査が必要な公報のみ、クレーム等を翻訳します。コスト重視の方は「標準翻訳」をご利用下さい。
・機械系や構造ものの分野では、BJIR抄録を活用した図面ベースの一次スクリーニングも有効です。